ダウン症候群

ダウン症候群

ダウン症候群とは

人間の身体の細胞には、人間の体の細胞には22対の常染色体と1対の性染色体があり、その染色体には1から22まで番号がついています。
その、21番目の染色体が本来は2本なのですが、3本あるのがダウン症候群です。
通称「21トリソミー」とも呼ばれます。
発症率は約600人から約1000人に1人です。
特徴としては、身体的には首の短さや耳が小ささ、筋肉の緊張度の低さや、多くの場合、知的な発達に遅れがあります。
発達の道筋は通常の場合と同じなのですが、全体的にゆっくりと発達します。
また、心臓の病気や難聴、中耳炎、白内障を伴いやすいとも言われています。
また、ダウン症候群は主に3つの型に分けられます。

標準型

全体の約90~95%が標準型になります。
染色体不分離といい、母親由来の染色体と父親由来の染色体が配偶子を形成する際に不均等に分離する時に異常を起こすことで発症します。

転座型

全体の約5%が転座型になります。
親のどちらかの染色体のうち、1本が他の染色体に合体してしまい、一部だけ異常となってしまう状態です。
この型は、元々どちらかの親が転座染色体を持っていることが原因となります。

モザイク型

全体の数パーセントしか発症しない珍しいパターンです。
この型は、正常な21番染色体をもつ細胞と、21トリソミーの細胞の両方が混ざってしまいます。
親の染色体は正常でも何らかの形で異常が起こり発症します。

ダウン症候群の原因

前述した通り、細胞の22対の常染色体と1対の性染色体の21番目の染色体が通常2本のところ3本になってしまうことで発症します。
母体の年齢が上がるにつれて確率があがると言われていますが、偶発的に起こることがほとんどです。
成人でも35歳でおよそ400人に1人程度、40歳で100人に1人程度発症すると言われています。

ダウン症候群の症状

主には、見た目が特徴的になり、発達の遅れ、合併症などを起こす可能性があります。

見た目の特徴

鼻が低く、両目は少し離れ、つり目がちです。
また、耳は小さく位置は少し低めです。また、後頭部が絶壁になっており、下は前に出ていることが多いため、口が開いたままの表情が多くなります。
このような特徴が出てくる理由として、顔の中心部の骨の発達が遅いのに対して、顔の周囲の骨が通常の速さで発達するからではないかと言われています。
ですが、全てのダウン症候群のお子様にあてはまるわけではなく、他のお子様と同様に父母に特徴が似るケースがあります。

発達

筋力が弱いため、親から見ていると積極性に欠けるように見え、おっとりした性格だと感じることもあると思います。
また、言葉も不明瞭で抑揚のない話し方をします。
これは、外の世界に興味を持ち始める幼少期に外的な刺激が少ないためと言われています。
ダウン症候群の発達面の特徴で特知的障がいも挙げられることが多いのですが、知的障がいとは幅が広くいため定義するのは難しいとされています。

合併症

循環器、消化器、耳鼻咽喉科、整形外科、血液内科など、様々な合併症が生じる可能性があります。
さらに先天性の心疾患として、心内膜欠損症・心房中隔欠損症・心室中隔欠損症が起こる可能性が約50%と半数の方が発症します。
以前は肺高血圧などの続発的な負担があり、重症かすることもあったのですが、近年は正確なエコー診断が可能となり、心臓手術も積極的に行われることによって重症化する前に治療ができるようになりました。
また、ダウン症候群の方は、白血病になりやすく約10~20倍発症率が高いとされています。
そのほかも消化器官が正しく形成されない、難聴、白内障、斜視、糖尿病、肥満など、様々なリスクが伴います。
このように合併症が多く発症するリスクが高いため、以前は平均寿命が短く、ダウン症は小児だけの病気であると捉えられていました。
しかし近年では治療も進み、平均寿命は約60歳とも報告されています。