グレーゾーン
発達障がいのグレーゾーンとは
グレーゾーンとは、発達障がいと同じ症状や特性がいくつか認められるけれど、診断基準を全て満たしていないため、発達障がいとの確定診断がつかない状態を指します。
そもそも発達障がいの診断基準は、アメリカ精神医学会の定める『DSM 精神疾患の診断・統計マニュアル』の第5版(以下、DSM-5)では、「アスペルガー症候群」と「自閉症」が、「自閉スペクトラム症」という言葉にまとめられました。
そこから、発達障がいの症状にはムラがあるという考えが浸透するようになりました。
例えば、日によって体調がよく目立たなかったり、DSM-5が挙げている症状の一部のみ現れる場合があります。
そのような状態には、診断基準の全てを満たさないと診断する場合があるのです。
グレーゾーンの問題点
症状が出ていたとしても、病院で検査して医師からの診断が下りないことが多く、診断書や障がい者手帳がないと必要な支援を得るための対象から外れてしまったり、福祉サービスが受けられないといったことが起こります。
そのため、日常生活で理解が得られなかったり、努力不足と誤解されて、自分を責めてしまうことが続いたりするため、グレーゾーンにいる人は不安障がいや気分障がいの併発、さらにはうつ病へと発展するケースもあります。
こういった部分で多くのグレーゾーンの方は、日常生活や仕事で困難を抱えているのです。
普段から心の健康状態に気を配り、ストレスを減らす工夫をしたり、異変を感じたら、早めに精神科や心療内科を受診することが大切です。
二次的被害としての精神疾患があると診断された場合は、その疾患の治療を受けましょう。
二次的被害について
前述した通り、二次的被害として精神疾患があると診断される場合があります。
グレーゾーンとは、知的な遅れはあまりなく、社会的、対人的、学力的などの適応に何らかのつまずきがあるお子様を指します。
小さい頃に落ち着きが無いなど、学校でも家でも怒られると、本人の自己肯定感がどんどん失われるという状況になりやすく、気持ちも塞がりがちになり、不登校やひきこもりになるというケースもしばしばあります。
特に勉強がよくできるお子様の場合は、グレーゾーンだと気づかないまま成長し、社会に出てから人間関係や仕事上のトラブルを抱えることで初めて自身の症状に悩み、そのまま放置すると大人になってからうつ病やひきこもりになるケースが高まります。
日常生活に支障がなければ個性となり、問題にはなりません。
ですが、その個性によって周囲と馴染めなかったり、努力しているのに努力不足と見做されて、自己評価も下がってしまい、こころのバランスが崩れてしまう原因に繋がるのです。