発達障がい
発達障がいとは
発達障がいとは生まれつき脳の一部の機能に障がいがあり、発達が通常と違っていることの総称です。いくつかのタイプに分類され、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠如・多動性障がい(ADHD)、学習障がい、チック障がい、吃音などを指します。
幼児のうちから症状が現れてくることがほとんどで、成長するにつれて、自分自身の得意ではない部分に気付いて、生きにくさを感じることも多くあると思います。
また、同じ人に、いくつかのタイプの発達障がいがあるというケースも珍しくないので、同じ障がいがある人同士でも、全く症状が似ていないように見えることがあります。
このように個人差が大きいという点も発達障がいの特徴といえます。
その様々な症状の中での特筆したいのが以下の症状です。
自閉症
自閉症スペクトラム障がいとも呼ばれ、主な特徴として、相互的な対人関係の障がい、コミュニケーションの障がい、興味や行動のこだわりが挙げられます。
近年では、約100人に1~2人存在すると報告されており、男性は女性より数倍多く発症が見られます。
原因はいまだに明確になっておらず、先天的なものが大きく影響すると言われています。
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注意欠如・多動性障がい(ADHD)
注意欠如・多動性障がい(ADHD)は、年齢や発達に不相応な不注意、落ち着きのなさ、衝動性などが生活や学生業に悪い影響を及ぼしてしまい、その状態が6ヶ月以上持続していることと定義されている症状です。
脳機能の発達や成熟に偏りが生じた結果と考えられていますが、その原因はまだよくわかっておらず、遺伝的な素因や周産期の問題、環境要因などが複雑に関連して症状が現れるといわれています。
発達年齢に見合わない多動や衝動性、忘れ物が多いなどの不注意などが7歳までに症状が現れ、約5%のこどもがADHDと診断されています。
男児は女児より3から5倍多く、男児の有病率は青年期には低くなりますが、女児の有病率は年齢を重ねても変化しないと報告されています。
また、ADHDのこどもたちへの対応が不適切な場合、反抗的、攻撃的な態度をとるなど問題行動の現れがあったり、学習の遅れなどの精神的ストレスからメンタルヘルスの異常をきたすことがあるので、適切な早期介入が重要です。
発達障がいは、生まれつき脳の発達が通常と違っているために、幼児のうちから症状が現れ、通常の育児ではうまくいかないことがあります。
成長するにつれ、自分自身のもつ不得手な部分に気づき、生きにくさを感じることがあるかもしれません。
ですが、発達障がいはその特性を本人や家族・周囲の人がよく理解し、その人にあったやり方で日常的な暮らしや学校や職場での過ごし方を工夫することが出来れば、持っている本来の力がしっかり生かされるようになります。
発達障がいの原因
先天的に脳の一部の機能に障がいがあることが原因とされており、一部の特性は、胎児期の風疹感染などの感染症や遺伝子の異常などが影響するといわれていますが、発達障がいを引き起こすはっきりとしたメカニズムや要因は解明されていません。
なので、ほとんどが原因不明と扱われます。
環境要因も関係すると言われている側面もありますが、親の育て方や愛情不足などが原因だというのは誤りです。
発達障がいの症状
症状は一人ひとり異なるため、多岐にわたります。
例えば、自閉症は1歳を過ぎた頃から発症し、ことばがうまく出てこなかったり、コミュニケーションが取りづらく、会話がうまくできない、興味の偏りなどが症状として挙げられます。
注意欠如・多動性障がい(ADHD)は、主に7歳までに症状が現れるのが特徴で、落ち着きのなさや多動など、年齢と見合わない行動をしてしまうのが特徴です。
また、読む、書く、計算、話すなど特定の分野が難しく感じるところから、これらの能力が求められる小学生の頃に発達障がいが発覚するケースも多く見受けられます。
幼少期に発覚しなかったり、ひとりで複数の発達障がいを抱えている人も多く、周りのサポートや気にかけが症状を認識するためには重要となってくるでしょう。